Classici giapponesi con furigana
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おくちちぶ
奥秩父
木暮 理太郎
Leggi 奥秩父 (おくちちぶ) di 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5255 caratteri · 11 schermate
山貌の怪異な所から推して、定めし妙義山などを凌ぐような面白い山であろうと想像されるが、実際登って見ると夫程のことはないので、聊か物足らぬ感が起る。勿論石灰岩の山であるから、危峰怪岩が簇立していることは言う迄もないし、又懸崖峭壁も至る所に峙っている。けれども最も高い東覗や狩倉の岩壁でも百米前後であって、其他の天武将、佐佐伏、海老弦などいう岩は、ずっと低い。それでも全山が霧に罩められている時、その霧の浮動するに連れて、尖峰や奇岩がすうと半天に顕れたり隠れたりするのを、近く麓から仰望していると、思わず「高いなあ」と言わずにはいられなくなる。
赤岩川に向っている南側の斜面は、鉱山が開けた為であろう、木は皆伐り払われて、山が浅くなった感がある。之に反して北側は、岩峰の上まで鬱蒼たる樹林に掩われ、うす暗い谷に臨んで突立っている崖から、長い蔓性の木本が垂れ下って、吹きあげる風に揺れながら縺れ合っているさまをふと見ると、南国の山奥へでも入ったような気がする。頂上附近にはサルオガセをつけた栂や五葉松が多い。けれども石斛や巻柏は少ないようである、植木取りに乱採された結果であろう。