Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate
度々の兄の失敗に懲りて、自分等をも護らなければ成らなかった。で、雨降揚句の日に、三吉も兄の家を指して出掛けた。
沼のように湿気の多い町。沈滞した生活。溝は深く、道路は悪く、往来の人は泥をこねて歩いた。それを通り越したところに、引込んだ閑静な町がある。門構えの家が続いている。その一つに実の家族が住んでいた。
「三吉叔父さんが被入しった」
とお俊が待受顔に出て迎えた。お延も顔を出した。
「森彦さんは?」
「先刻から来て待っていらしッてよ」
とお俊は玄関のところで挨拶した。彼女は大略その日の相談を想像して、心配らしい様子をしていた。
「鶴ちゃん、御友達の許へ遊びに行ってらッしゃい」お俊は独りで気を揉んだ。
「そうだ、鶴ちゃんは遊びに行くが可い」
とお倉も姉娘の後に附いて言った。「こういう時には、延ちゃんも気を利かして、避けてくれれば可いに」とお俊はそれを眼で言わせたが、お延にはどうして可いか解らなかった。この娘は、三吉叔父の方から移って間もないことで、唯マゴマゴしていた。
実は部屋を片付けたり、茶の用意をしたりして、三吉の来るのを待っていた。三人の兄弟は、会議を開く前に、集って茶を嚥んだ。