Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate

Aozora Bunko

客は帰って行った。森彦は弟の方へ肥った体躯を向けた。

「葉書の用は他でも無いがネ、どうも近頃正太のやつが遊び出したそうだテ。碌に儲けもしないうちから、最早あの野郎遊びなぞを始めてケツカル」

こう森彦が言出したので、思わず三吉の方は微笑んだ。

「実は、二三日前に豊世がやって来てネ、『困ったものだ』と言うから俺がよく聞いてみた。なんでも小金という芸者が有って、その女に正太が熱く成ってるそうだ。豊世の言うことも無理が無いテ。彼女が塩瀬の大将に逢った時に、『橋本さんも少し気を付けて貰わないと――』という心配らしい話が有ったトサ。折角あそこまで漕ぎ着けたものだ。今信用を落しちゃツマラン。『叔父さんからでも注意して貰いたい』こう彼女が言うサ」

「その女なら、私も此頃正太さんと一緒に一度逢いました……あれを豊世さんが心配してるんですか。そんな危げのある女でも無さそうですがナア。私の見たところでは、お目出度いような人でしたよ」

「復た阿爺の轍を履みはしないか、それを豊世は恐れてる」

「しかし、兜町の連中なぞは酒席が交際場裏だと言う位です。塩瀬の大将だっても妾が幾人もあると言う話です。