Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate
それが阿爺さんをして名倉の家を興させた所以でもある。確かに、それは一つの見方に相違ない。が、俺は俺で又別の見方をしている。こうして十年も旅舎に寝転んで、何事を為てるんだか解らない人だと世間から思われても、別に俺は世間の人に迷惑を掛けた覚は無し、兄貴のところなぞから鐚一文でも貰って出たものでは無いが、それでもああして俊の家を助けている――俺は俺の為ることを為てる積りだ」
「これがネ、一月や二月なら何でもないんですが、長い年月の間となると、随分苦しい時が有りますネ」
「いや、どうして、ナカナカ苦しい時があるよ」
兄の笑声に力を得て、三吉は他に工面する積りで起上った。何のかんのと言って見たところで、弱い人達が生きている以上は、どうしてもそれを助けない訳にいかなかった。「食わせてくれれば食うし、食わせてくれなければそれまで」と言ったような、宗蔵の横に成った病躯には実に強い力が有った。
「そうかい。折角来たのに御気の毒でした」
と森彦は弟を見送りに出て言った。
お俊は三吉叔父の家をさして急いで来た。未来の夫としてお俊が択んだ人は、丁度彼女と同じような旧家に生れた壮年であった。