Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate
と母は引取って、やがて三吉の方を見て、「父さん――貴方は御仕事の方を成すって下さい。何卒お構いなく」
名倉の母は茶を入れかえて、帰国するという養子にすすめ、茶の好きな娘の亭主にも飲ませた。
間もなく勉は旅舎の方へ戻って行った。三吉は勉の子供へと思って、土産にする物を町から買求めて来た。それを持って妻の前に立った。
「父さん、何物か――」と種夫は見つけて、父に縋りつく。
「お前のお土産じゃ無いよ。あっちの叔父さんに進げるんだよ」と三吉は子供に言い聞かせて、やがてお雪に、「これはお前に頼むぜ――俺のかわりに、後で勉さんの旅舎まで行って来ておくれ」
「そんなことをしなくッても宜う御座んすに」
と母は顔を出して言った。
夕飯の後、三吉は二階に上って、机に対って見た。「馬鹿」と彼は自分で自分を叱った。「どうでも可いじゃないか、そんな事は……傍観者で沢山だ」こう復た自分に言って見た。不思議な本能の力は、しかし彼を唯傍観させては置かなかった。何時の間にか、彼はお雪が勉の旅舎に訪ねて行く時のことを想像した。彼女と勉との交換す言葉を想像した。
「どうしたというんだ、一体俺は……」