Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate

Aozora Bunko

姉のお房とは違い、お菊の方は遊友達も少なかった。「菊ちゃん、お遊びなさいな」と言って、よく誘いに来たのはこの近所の娘である。

道路には日があたっていた。新緑の反射は人の頭脳の内部までも入って来た。明るい光と、悲哀とで、お雪はすこし逆上るような眼付をした。

「まあ、正太さん、お上んなすって下さい」

こう叔母に言われて、正太は垣根越しに家の内を覗いて見た。

「叔父さんは?」

「一寸歩いて来るなんて、大屋さんの裏の方へ出て行きました」

「じゃ、私も、お裏の方から廻って参りましょう」

正太はその足で、植木屋の庭の方へ叔父を見つけに行くことにした。

この地内には、叔父が借りて住むと同じ型の平屋がまだ外にも二軒あって、その板屋根が庭の樹木を隔てて、高い草葺の母屋と相対していた。植木屋の人達は新茶を造るに忙しい時であった。縁日向の花を仕立てる畠の尽きたところまで行くと、そこに木戸がある。その木戸の外に、茶畠、野菜畠などが続いている。畠の間の小径のところで正太は叔父の三吉と一緒に成った。

新開地らしい光景は二人の眼前に展けていた。ところどころの樹木の間には、新しい家屋が光って見える。