Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate
そのうちに、正太は、「お前はそっちへ行ってお出」と豊世に眼で言わせて、黙然と叔父の前に頭を垂れた。
「叔父さん、私もいよいよ洗礼を受けました」
こんなことを言出した。三吉は不思議そうに甥の顔を見た。
「実は――」と正太は沈痛な語気で、「熱田へ遊びに参りましたら、その帰り道で洗礼を受けました――二度、喀血しました」
「叔父さん」と正太は男らしい響のある調子に返った。「私もこれから大に遣ります。医者に診て貰いましたところが、『お前の病気は自分で作った病気だ、精神の過労から出た病気だ、下手にクヨクヨするな、そのかわり三年や四年でマイって了うようなものじゃ無い、十年の生命は引受けた』と言ってくれましたんです。『仕事を為ても構わんか』と聞いたら、『差支は無い』ッて言いますからネ。『よし』と、『それじゃ俺はこれからウンと遣って見せる、この病気に罹ってから事を成した者は――いくらもある』こういう覚悟を抱いたんです」
「どうだネ、どんな心地がするネ」と三吉は病人扱いにしたくなく尋ねた。
「何となく、こう厳粛な心地が起って来ました……」
「そいつは面白いナ。何だねえ、正太さん、今日までのことは忘れて行るんだネ。