Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate
と三吉は、赤い葡萄酒の残りを捜出して、それを砕いた氷にそそいだ。
お俊の娘らしい話は、手紙のことに移って行った。切手を故意に倒まに貼るのは敵意をあらわすとか、すこし横に貼るのは恋を意味するとか、そんなことを言出す。敵意のあるものなら、手紙を遣取するのも少し変ではないか、こう叔父が混返したのが始まりで、お俊は負けずに言い争った。
「叔父さんなんか、そういうことはよく知っていらッしゃるくせに」
と軽く笑って、それからお俊は彼女が学校生活を叔父に語り始めた。三吉は時々、手にしたコップを夜の燈火に透かして見ながら、「そうかナア」という眼付をして、耳を傾けていた。
「私は涅槃という言葉が大好よ」とお俊は冷そうに氷を噛んで言った。
「あら、いやだ」とお延はコップの中を掻廻して、「それじゃ、お俊姉さまのことを、これから涅槃と……」
「涅槃ッて、何だか音からして好いわ」
こんなことからお俊の話は解けて、よく学校の裏手にある墓地へ遊びに行くことを言出した。そこの古い石に腰掛け、落葉の焼けるにおいを嗅ぎながら、読書するのが彼女の楽みであると言出した。
「学校の先生が――小泉さん、貴方は誰にも悪まれないが、そのかわり人に愛される性質で反って不可――貴方は余程シッカリしていないといけません、その為に苦労することが有るからッて……」