Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate
「そう言っちゃ失敬ですが、橋本君だっても……御国の方で大きくやっていらしッたんでしょう……僕も、まあ、言って見れば、似たような境遇なんです」
正太は良家に育った人らしい手で、膝の前垂を直して見た。
「ねえ、橋本君、そうじゃ有りませんか」と榊は言葉を継いで、「これから二人で手を携えて大に行ろうじゃ有りませんか。僕もネ、今の水菓子屋なぞはホンの腰掛ですから、あの店は畳みます。いずれ家内は郷里の方へ帰します」
「多分、榊君の方が、私よりは先にある店へ入ることに成りましょう」と正太は叔父に話した。
三島にある城のような家、三吉が寝た二階、入った風呂、上って見た土蔵、それから醤油を醸す大きな桶が幾つも並んでいた深い倉――そういうものはどう成ったか。榊はそれを語ろうともしなかった。唯、前途を語った。やがて、若々しい、爽快な笑声を残して、正太と一緒に席を立った。
玄関のところで、正太はお俊から帽子を受取りながら、
「延ちゃん、頭脳の具合は?」
「ええ、もうスッカリ癒った」とお延は無邪気に笑った。
「お医者様が病気でも何でも無いッて、そう仰ったら、延ちゃんは薬を服むのもキマリが悪く成ったなんて」