Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate
「真実に、正太さんはこういうことが御上手なんですねえ」
とお雪は額の前に立って、それから縁側のところへ出てみた。
「叔母さん、御覧なさい」
と正太も立って行って、何となく江戸の残った、古風な町々に続く家の屋根、狭い往来を通る人々の風俗などを、叔母に指してみせた。
塩瀬というが正太の通う仲買店であった。その店に縁故の深い人の世話で、叔父の三吉にも身元保証の判を捺かせ、当分は見習かたがた外廻りの方をやっていた。正太に比べると、榊の方は店も大きく、世話する人も好く、とにかく客分として扱われた。二人ともまだ馴染が少なかった。正太は店の大将にすらよく知られていなかった。毎日のように彼は下宿から通った。
秋の蜻蛉が盛んに町の空を飛んだ。塩瀬の店では一日の玉高の計算を終った。後場は疾うに散けた。幹部を始め、その他の店員はいずれも帰りを急ぎつつあった。電話口へ馳付けるもの、飲仲間を誘うもの、いろいろあった。正太は塩瀬の暖簾を潜り抜けて、榊の待っている店の方へ行った。
二人は三吉の家をさして出掛けた。大きな建築物のせせこましく並んだ町を折れ曲って電車を待つところへ歩いて行った。