Classici giapponesi con furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Leggi 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) di 小出 楢重 (こいでならしげ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.351 caratteri · 657 schermate
あるいは彼女と共に海辺を、森を、午前三時まで散歩しても、決して風邪を引かない。もしそれ抱擁せんか、多少の汗ばみたるは、夏の夜を更に香ばしく調子づけはしないだろうか。
とかく、秋の天候は変化に富み、折角の一年の月が曇らされてしまう今宵ともなりがちだ。さように稀な寒い月を求めずとも、私は盆の頃の少々まだ土用の熱気のために逆上してはいるけれども、八月の月を遠慮なく眺める事をすすめたい。
とはいえ私も考えて見るに、あまり寒からず曇らず、あまりに平凡に電燈の如く輝いているが故に、おやいい月だといってしまうと同時に、われわれはすぐ退屈を感じて月の事はもう天へ預けておいて、勝手な事をして遊んでしまう。
かの、四、五人に月落ちかかる何んとかいう言葉は、全く盆踊のために忘却されたる月が天に一つころがっている感じがよく現れていると私は思う。
完全に忘れられたる月を私は巴里で見た。モンマルトルやサンゼルマンの夜の空に、三笠山で眺めたと同じその明月が憐れにも電光に色を失って気の毒にも誰れ一人見るものなく、四角な家と家との間に引懸っているのだ。私はあれは天の金ボタンかとさえ思って見た。