Classici giapponesi con furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Leggi 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) di 小出 楢重 (こいでならしげ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.351 caratteri · 657 schermate
手紙を読んでいる間は、すっかり日本に居て八幡筋の二階に居る様に思われて来る。今日は、吉延さんの手紙も、おっかさんの手紙も、泰ちゃんの画も、重子のと一ショに来たから、一度にどっさりとベルリンの俺の下宿へお客さんが来てくれた様に思われる。そして、テーブルの上にどっさりと手紙を並べて置くと、大変賑やかな心もちさえするよ。泰ちゃんの云うている事を読んでいると、独りでに笑えて来てしょうがないよ。ヨシヨシ、何んでもすきなものは買うてかえってやるぜ、おとなしくして、たっしゃで待っていてくれ。もう、船の方もきまっているのだから、安心だよ。来る時は印度洋なぞの事が気になったが、もう帰る方は、もう胆っ玉が太くなっているから、一向気にもならぬ。印度洋のシケを平気で乗り切って来たんだから大丈夫だよ。暑さも人の云う程ではないからね。
パリはぬくい間に去って、ベルリンへやって来たので、来る早々雨と風と寒さとで、大分困ったが、もう此の頃はそう風もふかなくなった。やはり外国へ来ていると、気のせいか一寸した事位からだにこたえないよ。ずい分ぬくい処から、夜汽車でベルリンへ来たりしたのに、からだの方は至極たっしゃである。