Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

やまをおもう

山を思う

石川 欣一

Leggi 山を思う (やまをおもう) di 石川 欣一 (いしかわきんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.814 caratteri · 157 schermate

Aozora Bunko

酒ばかりは、どうも、灯がつかないとうまくない。

あたゝかいのも有難いことだ。寒さそれ自体は僕にとっては何等の苦痛でなく、こんな骨皮筋右衛門でいながら、暑い方に負けるが、とにかく服装が身軽になるのがいゝ気持だ。

現在の僕としては、魚が釣れ出すのが何よりもうれしい。寒バエ釣は玄人の芸だなどといわれ、冬中あちこち歩き廻ったが、釣れないこと、おびたゞしい。考えて見ると、猪名川では鼓ガ滝、多田神社の下、武庫川では宝塚の上下約一里半、それから、遠っ走りをして吉野川、どこへ行っても魚はかたまっているし、人間もかたまっている。近所の人々で毎日来るといった手合が、自転車で乗りつけるのだから、僕みたいなサンデー・アングラアは駄目にきまっている。それを、「好きこそ物の上手なれ」ならぬ「下手の横好き」で出かけるのだから、魚が釣れたらどうかしている。

たまに誰もいないと思うと、六甲の方からひどい吹雪が来たりする。何を糞とばかり、首を縮めて竿を持っているのは楽でない。魚が釣れでもするのならば、こいつは悪くないだろうが、ピンともシンとも来ぬ奴を、痩我慢で河岸に頑張っている中に、いつか暮色蒼然、凍えた手で糸を竿から外すと、水っぱながポタポタたれる――こんな真似をしていたが、さて、春ともなれば魚が動くのだ。