Classici giapponesi con furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Leggi 山を思う (やまをおもう) di 石川 欣一 (いしかわきんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.814 caratteri · 157 schermate
「百瀬さん、百瀬さん!」
◇
布団の中で百瀬慎太郎氏は目を醒ました。深いねむりに落ちていたのであるが、声を聞くと同時に何事かハッと胸を打つものがあったという。とび起きて大戸のくぐりを引あけると、まろび込んだのが大和由松、「どうした?」という間もなく近藤氏が入って来た。
「どうした?」「やられた!」
◇
遭難当時の状況は早大山岳部が詳細にわたって発表した。要するに大沢小屋に滞在して蓮華、針ノ木、スバリ等の山々に登る予定であったが、雪が降り続くので登山の見込みがつかず、僅かに小屋の外で練習をするにとゞまった。然るに三十日は、雪こそ多少降っていたが大した荒れではないので、すこし遠くへ出かけようと思って針ノ木の本谷を電光形に登って行った。そして十一時頃赤石沢の落ち口の下で(通称「ノド」という狭いところ、小屋から十町ばかり上)第五回目かのキック・ターンをしようとしている時(渡辺氏はすでにターンをおわり右に向っていた)リーダーの近藤氏が風のような音を聞いた。雪崩だな! と直感して、「来たぞ!」と叫ぶ間もなく、もう身体は雪につつまれていた。