Classici giapponesi con furigana
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やまうらきよまろ
山浦清麿
吉川 英治
Leggi 山浦清麿 (やまうらきよまろ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.573 caratteri · 91 schermate
彼は又、熱心に言葉をつづけ、日本の国体から説き起して、二千余年の治乱を語り、幕府の悪政による朝廷の御式微がどんなに下々の想像もつかない程であるかを話して、
『ただ、幸には、幕府は腐っても、この国体はまだ腐っていなかった。今のうちに、尊王の大義を建て、外夷を討つ計を立てなかったら、この日本は、支那と同じ轍をふむほかない。――日本に生れながら日本を知らず、酔生夢死に世を送ってしまう奴らを、虫螻と云ったのは、おれの間違いだろうか』
と、一気に云い終って、清麿の顔を見つめた。
『…………』
清麿は、身を凍らせて、凝と、聞き澄ましていた。唇の色まで霜風にふかれて蒼かった。――然し、彼の性来多感の血は、少年のように、皮膚の下に沸り立っていた。
『ありがとう』
慇懃に、頭を下げて、礼をいうと、重輔はかえって、揶揄されたかと思って、
『何だ、それは』
『慎んで、お礼を云います。もし今夜、貴方に会わなかったら、私は、虫けらで生涯を終ったかも知れなかった』
『オ……解ってくれたのか』
『解らずに何うしましょう、胆にこたえました。――同時に、剣工として、自分がこれから鍛える心の的もつきましたが、まだ一つ、疑いがある』