Classici giapponesi con furigana
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
Leggi 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) di 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 113.247 caratteri · 229 schermate
甲刑事がはいってから出てくるまでに二十分たっていますからね。その間若い者のいちゃつくのを見てなんかおれるもんですか。そうして、乙刑事の注意を裏木戸の方へひきつけておいて、親分の泥棒を悠々と玄関から逃がしたというわけです」
「刑事に見張りをさしておいて泥棒をしていたというわけだね、つまり」
「そうですよ、これくらい安全な方法はありませんからね」
「こんな手紙が今来たよ。実に人を食ったやつだ。まあ見たまえ」
こういいながら、署長はポケットからいま受け取った速達郵便を封のまま出して見せました。
「それで島田家の物置はしらべにやったんですか?」
と弓田警部は手紙を読みおわってから、歯ぎしりしてくやしがりながらいいました。
「うん、今に報告が来るはずだ。……それでは右手のない男というのは事件に関係ないんだね」
「何にも知らずにあいびきしていたのですよ。かわいそうに二人に追われた時はびっくりしたでしょうよ。きっと近所にすんでいる男にちがいありません……何しろ、私の思ったとおりでした。ただ三十分おくれたんです。三十分のことですっかり先手をうたれたんです。私は泥棒が、今晩は警察の厄介になるといったと聞いた時はてなと思ったのですが、甲刑事がいなくなるまでしかと見当がつかなんだのです。