Classici giapponesi con furigana
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
Leggi 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) di 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 113.247 caratteri · 229 schermate
四
しかし何よりも彼女を驚かしたことは、柴田の家には、既に細君らしい女がいたことであった。それから、彼女はその翌日婚姻証書に捺印したこと、以前の女はその夜いつのまにか姿をかくしてしまったこと、一ヶ月もたつと、彼女に対して非常な虐待がはじまってきたこと、最近また新聞広告を出して彼女の代わりの女を探していたらしいこと、前日もそれらしい女が来たこと、婚姻証書などは決して役所へ届けていないらしいこと、したがって、どんなひどいめにあっても、ただ泣き寝入りで出てゆくより仕方がないこと、特にこの頃は、虐待がひどく、この寒いのに布団も火鉢もかしてくれなかったことなどを、次から次へと涙ながらに話した。そして最後に、「妾はどうしても復讐せずにおかぬとついさっきまで決心していました」と真実をおもてにあらわして検事につげた。
四
検事が未亡人に向かって、被害者の職業をきいているとき、林が横あいから口を出して、「こいつは詐欺と賭博で食って居たんだ」と言ったので、未亡人の訊問がすむと、検事は林の方を向いてその点についての訊問をはじめた。林は、色々例をあげて説明した。柴田が毎晩のように二階で賭博を開いていたこと、しょっちゅう誰かが不正なことをすると見えて喧嘩がはじまったこと、自分の家でやらない晩はどこか仲間の家でやっているらしいこと、それから