Classici giapponesi con furigana
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しきぶこうじ
式部小路
泉 鏡花
Leggi 式部小路 (しきぶこうじ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.847 caratteri · 149 schermate
(あ、)
と一声、もっと刺せとか、それとも告別の意であったか、
(愛吉、)
とお夏が呼ぶと、丹平が引放そうとする愛吉の手は、力も用いないで外ずれたが、頸を巻いたお夏の腕は放れない。
いて解くと、道の上へ、お夏の胸は弓なりに反ったが、梅岡に支えられた。
(国手に、国手に、)とお夏は、その時くりかえしていったのである。
愛吉は下へ、どんと尻餅をついた。そのまま咽喉にあてた剃刀をぎ取ったのは丹平で。
時にはじめて声を出した、江戸ッ児の薬剤師の声は異様なものであった。
(非常だ、)
(お騒ぎあるな! 引きうけました。)
兀げ天窓の小男の一言は、いうまでもなく大いなる力があったのである。
竹永丹平が病院でなお語り続ける。
「で、三宜亭で聞きますとな、愛の野郎は当日お昼過から、東照宮の五重の塔に転がっていたんでがすって。暮かかってから、のッそり出かけて、くらがり坂に潜んだんだといいますから、巣鴨じゃ、ちょうどお夏さんが、私と話をしていなすった時でがす。
影も薄し、それ神々しかろうじゃありませんか。
また、青柳町で。婆さんが云うのには、その晩、件の一陣の兇風、砂を捲いて飛んで返ったッきり、門口はもとより台所へも、廂合の路地へも寄ッついた様子はなし、お夏さんも二日たって、その日の午過ぎ湯に行くまで、どッこも出なかったというんです