Classici giapponesi con furigana
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しんれいのいだくきんかい
心霊の抱く金塊
大倉 燁子
Leggi 心霊の抱く金塊 (しんれいのいだくきんかい) di 大倉 燁子 (おおくらてるこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2344 caratteri · 5 schermate
(下)
私達はゲートルに黒い雨合羽を着て、山路を辿り始めた、それは午前一時頃である。案内役の霊媒はまるで霊に導かれてでもいるように、空を見詰めたまま、デコボコした岩の上を平地のように馳けて行く、私はその後を追うて走った。さながら二つの揚羽蝶が闇の中を飛んで行くように――、渓流に沿うて歩いたり、岩の間を潜ったり、下へ下へと降りる。夜道に馴れない私はただ霊媒の後姿を唯一の頼りにしているだけである。やがて、自然に出来た鍾乳洞に這入った」
(下)
「闇はいよいよ深くなり、岩の間から滴る清水が顔に落ちてはひやりとさす。懐中電燈で足許を照しながら、奥へ、奥へと進む。ふと、頭上で水の流れる音を聞いた、河底である。突如、霊媒はピタリと足を止めた。電燈をさしつけてあたりを見廻した途端、ピカッと眼を射る光、岩を砕いて、穿った穴に、黄金は燦然と輝いているではないか。金塊といっても、まるいかたまりではない、竹の一節を縦に真二つに割って、金を流し込んだものと見える。竹はもうすっかり朽ち果てているが、金がその形を残して、一尺ばかりの蒲鉾のようだ。しかし、五億万円の金塊が一ヶ所に納まってあるのではない、十二ヶ所に分けて隠してあるが、それを武田一門の霊が大切に保管していて、妄りに手をつけさせないのだ。