Classici giapponesi con furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Leggi 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.735 caratteri · 290 schermate
「熊が出るからって、弾丸の詰まっている鉄砲をそんなところへ縛りつけて、引っ張れば発砲するようにしておくってことはないよ」
「そんなわけじゃなかったのですがね。弾丸を込めてからここへ置いたのが少し動くもんだから、なにげなく縄をかけてしまって」
「引金へ縄をかけるなんて……」
「正勝! おまえこれから無闇と鉄砲など持ち出しちゃ駄目よ」
紀久子は命令的に言った。
「無闇と持ち出したわけじゃないんですがね。これからしばらくの間は鉄砲も持たずに、馬を連れて歩くってわけにはいきませんよ。なにしろこれからは熊の出る季節ですからね」
馭者は反抗的に言った。
「とにかく、そこへ置くことは絶対にいかんね。こっちに寄越したまえ」
敬二郎は叱りつけるように鋭く言った。
「弾丸はもう詰まってないのだから、どこへ置いたってもう危なくはないだか……」
反抗的な語調で繰り返しながらも、正勝は猟銃を解かないわけにはいかなかった。
「それじゃ、これも一緒にそっちへ置いてください」
馭者はそうして、猟銃と一緒に弾嚢帯をも敬二郎に渡した。
「本当に危なかったわ。正勝! これからは気をつけないと駄目よ」