Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ほうろうき(しょしゅつ)

放浪記(初出)

林 芙美子

Leggi 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 103.349 caratteri · 207 schermate

Aozora Bunko

「芙美ちゃんどっかへ引越す時は知らしてね、たい子さんによろしく云ってね。」

時ちゃんには、真実いとしいものがあった。

野性的で、行儀作法は知らないけれど、いゝところが多分にあった。

「久し振りで、別れのお酒もりでもしようか……。」

「おごってくれる……。」

「体を大事にして、にくまれないようにね。」

都寿司にはいると、お酒を一本つけてもらって、私達はいゝ気持ちに横ずわりになった。

雨がひどいので、お客も少ないし、バラックでも、落ちついた家だった。

「一生懸命勉強してね。」

「当分会えないね、時ちゃん、私もう一本呑みたい。」

時ちゃんはうれしそうに手を鳴らした。

時ちゃんをカフェーに置いて帰えると、たい子さんは一生懸命書きものをしていた。

九時頃山本さん来る。

私は一人で寝床をひくと、たい子さんより先に寝る。

十二月×日

フッと眼を覚ますと、せまい蒲団なので、私はたい子さんと抱きあってねむっていた。

二人ともクスリッと笑いながら、脊をむけた。

「起きない。」

「私いくらでも眠りたい……。」

たい子さんは白い腕をニュッと出すと、カーテンをめくって、陽の光りを見た。