Classici giapponesi con furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Leggi 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.454 caratteri · 357 schermate
女は自分の室にかえると、ぺっとりと糊のように坐って、手を膝の上においてぼんやり何か考えこんだ。
日が昏れかけると男はさらりとした着換えをすましたころ、勝手で茶碗や皿類を洗っていた女の手がびりびりと震えたかと思うと、その手がきゅうに止ってしまったとき、女の眼が大きな水甕の胴体に吸いつけられた。あめいろをした甕の地に疣のような焼きの斑点が、幾十となくあった。それを数えつくしたときに、内部に残ったうなぎの肌のようにぬらぬらした生きものの、長くとぐろを巻いた水が森として目にうつってきたのである。かの女はさかんに燃えるような一つの火になったかと思うほど、眇になるほど、強烈な凝視をつづけたのであった。そのとき彼女の視界に何がうつったのか、いそいで休めた手を前垂れでくるくると拭いてしまうと、ほそい襷を片はずしに桶の輪のように脱って手拭かけにだらりとかけた。そしてすぐ茶の間へ出て、鏡をちょいと覗いた。夕あかりを胎んだ鏡は深くひかったが、何処か白紙のように寂しくみえた。
かの女は玄関へ出て、れいの茶色の帽子をとって細っそりと立ちあがった、そのとき、男は自分の室からぶらりと玄関へ出てきて、女を見るとびっくりして顔いろを変えた。