Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Leggi 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.454 caratteri · 357 schermate

Aozora Bunko

「紙にするんだ。」と言った。

赤児はハアハアと言い、くるしがった。湿布をした。十分経った。肱が脚の下までしか来ないで、手首は寂としてびくともうごかなかった。「手足が冷える冷えると思っていたが、やはりいけなかったんだ。」と私は顫えながら思った。

「これは危ない!」

写野さんは、へいぜいとは違った声でそう樋口さんに言った。赤児の目が釣り出した。そして息がきこえなかった。室じゅうに音というものがなかった。

「お父さん、今ですよ。」と妻が言った。

写野さんが人工呼吸をやった。汗とあぶらが赤児の肌身と写野さんの手のひらににちゃついた。私は生れてはじめて人工呼吸を見たので、それでなくとも、ああすれば助かる助かると思った。

「樋口君、かわってくれたまえ。」

そう写野さんが言ったときには、妻は泣き出した。写野さんは赤児の瞼をめくり、電燈をよせて見た。あんなに電燈の光をよせたらまぶしいだろうと私はふと思った。それと同時にこの子のくろぐろした瞳は見おさめであった。

部屋の隅で、夏が泣き出した。声を挙げしばらく妻も泣きやまなかった。

「お父さん、最ういちど抱いてやってください。