Classici giapponesi con furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Leggi 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.454 caratteri · 357 schermate
妻も私も喜んだ。
「よく使ったからだですから、よい乳が出る筈です。」
爺さんは、身仕度をすると、「じゃお母さんは明日にでもお伺いして、金の方のことを決めなさるとよい。わしは急ぐしするから。」と附け加え、一緒にかえるという母親と、玄関へ出た。
「なるべく汁気の多いものをいただいて、そして自分の家だと思っていないと、乳というものは不意に止まることがあるものだから。」
乳が止まることのあるものだと聞くと、乳母は、胸へ手を当て、眼を円るくした。「ともかく明日わたしが又来るから、そのとき模様を見てあげよう。」
爺さんと老母とが帰ったあとで、妻は、すぐ乳を赤児にやって呉れと云った。貰い乳ばかりしていた赤児は、ゴムの吸管とは、全然かんじの違った柔らかい、いくらか手頼りのない乳母のちち首を口にふくんだ。私は悪い鼈甲色をした乳母の胸肌を、いい気もちで見られなかった。
「おいチいでしょう。ほら、たんと出るでしょう。」
妻はその指さきで、乳母の乳房を上からこころもち圧すようにして、よけい流れ出るようにした。乳母は、上から赤児の、うす毛の生えた頭を覗きながらいた。夏も平林も、そうして私の心にも赤児が乳母の乳首に馴染んでくれればよいと思った。