Classici giapponesi con furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Leggi 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.454 caratteri · 357 schermate
岩から沁み出る清水の冷たさも加わって、踵がいちばんさきに痺れるのが常であった。そこへは、川師仲間でも誰も潜ってゆかなかった。というのは、潜りがきいても、流れへ出るまで大概のものは呼吸がつづかなかったからである。
それゆえ、堀は、ほとんど自分ばかりの場ン場にしておいた。鮎どき、石斑魚時、また鱒や鮭の季節も、そこを一と潜りすればよかったほど、いつも捕れた。それは、それからさきの上流へ登るために鮎や鱒がしぜん溜るようになっているのである。
堀は、そこへ潜入ったことと、いつものように鱒を手網で三四本も掬い出したことを思い出した。そして淵を出ようとしたとき、つかまった岩がつるりと動き出したように思われた。その岩は何時も淵穴を閉じている大亀だったことを思い出した。
「あれなら……。」
堀は、そこで亀のことを思い出して微笑んだ。おあいは、じっと堀を恐いもののように見つめていた。起きて何か考えるかと思うときゅうに微笑い出したりするのが、くらい行燈のかげになって無気味だった。
堀は、間もなく正体もなく眠りこんだ。おあいは、いつまでも、ふしぎな夫が、こうして何かの物語にでもあるように四十九日目にかえってきたことを、きみ悪くかんじた。