Classici giapponesi con furigana
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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
Leggi 新宝島 (しんたからじま) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 99.590 caratteri · 197 schermate
それがあわれな二匹の最期でした。
一郎君は、そんな出来事さえ知りませんでした。ただ耳も聾するゴウゴウという物音と、目もくらむばかりの白熱の光の中で、両手ににぎった板ばかりを見つめていたのです。腕がちぎれるまでも、その板を動かしつづけようと、夢中になっていたのです。
一郎君の手のひらからは、血が流れ出しました。それでも水を掻くことをやめようとはしません。両腕が棒のようになって、動いているのかどうか、自分でもわからなくなって来ました。それでも、板をはなそうとはしません。
ゴウゴウという噴火の音は、この世の終かと思われるほど、恐しいひびきになって来ました。白熱の光は、一郎君の両眼を焼きつくすほどのはげしさです。
「ああ、今、火の柱を通りすぎるんだな」
一郎君はそれをハッキリと感じました。その瞬間、とうとう最後の力を使いつくしたのか、ガックリと筏のすみにうずくまってしまいました。今まで水を掻いていた板は、一郎君の手をはなれて、わきかえる流の中へまきこまれて行きます。
哲雄君も、保君も、筏の上にうつぶせになったまま、とっくに気を失っていました。そして、最後まで戦った一郎君も、とうとう倒れてしまったのです。