Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.353 caratteri · 371 schermate

Aozora Bunko

霏々として花が飛ぶ。囲まれた本丸とはいえ、峻り立つ山の上なので、風のない日は少ないといってよい。

「殿は?」

「殿はどう遊ばされた?」

一族の斎藤九郎右衛門、それと長井隼人のふたりがさがしていた。

後宮の美姫三千とはいわない。けれど、一笑すれば百媚生ず、といえるぐらいな美人は何人かある。侍女老女まで入れると、その数も桃園の桃より多い程だ。――それが群をなして、ただ一人の惰眠児が醒めるのを、ぽつねんと、することもなく毛氈や床几にならんで待っていた。

「おつかれとみえ、お茶屋のうちで、お寝り遊ばしていらっしゃいます」

「酔うておいでか」

九郎右衛門と隼人は、咽せそうな女たちの間から、茶亭のうちを覗いた。

龍興は、鼓を枕に、長くなっていた。――顔見合わせて、

「では、後刻にでもまた」

去りかけると、

「誰じゃ。男の声がするわ」

龍興は、紅い耳を擡げて、

「九郎右衛門でないか。隼人もいたか。なにしに。……ここは花見の席、さては酒が欲しいな」

ふたりは、密談で来たらしいが、そういわれてからでは、敵国の情報などと固くなって告げるのも控えられた。

(夜にでも)

と、窺っていると、夜も酒宴。