Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.353 caratteri · 371 schermate

Aozora Bunko

敗軍の将とは誰をさしていうか」

と、手を打って笑った。

城主の笑い声に、何の意味ともしらず、彼方此方で、城兵たちも笑った。藤吉郎は、黙然と、満城からわき起る嘲笑をあびて立っていたが、やがてまた、

「憐れや山路殿には、武勇にかけては、伊勢随一の聞えもあるが、惜しいかな、匹夫の勇とみゆる。――死ぬばかりが勇者なりと心得ておらるるとみゆる」

「なに」

弾正は、怒った声で、

「この弾正を、匹夫と申したな」

すかさず、その怒気へ、藤吉郎は早口で、云い返した。

「匹夫はまだ、生命の貴きを知っている。貴下のごときは、生命知らずの野猪に過ぎん。――この城にしがみついて、後幾日の生命を保ちうるとお思いあるか。城下の十方はすべて焦土、糧道なく、水の手は涸れ、しかも援軍の来るお見こみもまずあるまい。――曳かれものの小唄よ、はははは」

彼の笑い声も、負けずに大きかった。その白い歯が、濠をへだてた城楼からも見えた。

なに思ったか、弾正は、

「おもしろい。然るべき男とみえる。鄭重に案内して、城中へ通せ」

櫓にいあわせた左右の者にいいつけた。

濠の唐橋は、焼け落ちていた。やがて一人の部将が大手門のわきから筏を出させ、十名ばかりの兵を乗せて迎えに来て、