Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あかいろうそく

新美南吉童話集

新美 南吉

Leggi 新美南吉童話集 (あかいろうそく) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.131 caratteri · 96 schermate

Aozora Bunko

それでもお母さんは、とても面白がって、よろこんで文六ちゃんの話をきいてくれるのでした。

「神子さんね、あれよく見たら、お多福湯のトネ子だったよ」

と文六ちゃんは話しました。

お母さんは、そうかい、といって、面白そうに笑って、

「それから、もう誰が出たかわからなかったかい」

とききました。

文六ちゃんはおもいだそうとするように、眼を大きく見ひらいて、じっとしていましたが、やがて、祭の話はやめて、こんなことをいいだしました。

「母ちゃん、夜、新しい下駄おろすと、狐につかれる?」

お母さんは、文六ちゃんが何をいい出したかと思って、しばらく、あっけにとられて文六ちゃんの顔を見ていましたが、今晩、文六ちゃんの身の上に、おおよそどんなことが起ったか、けんとうがつきました。

「誰がそんなことをいった?」

文六ちゃんはむきになって、じぶんのさきの問いをくりかえしました。

「ほんと?」

「嘘だよ、そんなこと。昔の人がそんなことをいっただけだよ」

「嘘だね?」

「嘘だとも」

「きっとだね」

「きっと」

しばらく文六ちゃんは黙っていました。黙っている間に、大きい眼玉が二度ぐるりぐるりとまわりました。