Classici giapponesi con furigana
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あかいろうそく
新美南吉童話集
Leggi 新美南吉童話集 (あかいろうそく) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.131 caratteri · 96 schermate
「ああ」
「そんなら、おれ、ランプ屋だ。卸値で売ってくれ」
店の人はランプを持ったまま笑い出した。
「おめえがランプ屋? はッはッはッはッ」
「ほんとうだよ、おッつあん。おれ、ほんとうにこれからランプ屋になるんだ。な、だから頼むに、今日は一つだけンど卸値で売ってくれや。こんど来るときゃ、たくさん、いっぺんに買うで」
店の人ははじめ笑っていたが、巳之助の真剣なようすに動かされて、いろいろ巳之助の身の上をきいたうえ、
「よし、そんなら卸値でこいつを売ってやろう。ほんとは卸値でもこのランプは十五銭じゃ売れないけど、おめえの熱心なのに感心した。負けてやろう。そのかわりしっかりしょうばいをやれよ。うちのランプをどんどん持ってって売ってくれ」
といって、ランプを巳之助に渡した。
巳之助はランプのあつかい方を一通り教えてもらい、ついでに提燈がわりにそのランプをともして、村へむかった。
藪や松林のうちつづく暗い峠道でも、巳之助はもう恐くはなかった。花のように明かるいランプをさげていたからである。
巳之助の胸の中にも、もう一つのランプがともっていた。文明開化に遅れた自分の暗い村に、このすばらしい文明の利器を売りこんで、村人たちの生活を明かるくしてやろうという希望のランプが――