Classici giapponesi con furigana
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あかいろうそく
新美南吉童話集
Leggi 新美南吉童話集 (あかいろうそく) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.131 caratteri · 96 schermate
木之助は熱いものがこみあげて来るような気がした。「ほうかな、ほうかな」といってきいていた。
年とった女中はそれから、もう一ぺんひっ返して、大旦那の御仏前で供養に胡弓を弾くことをすすめた。「そいでも、若い御主人が嫌うだろ」と木之助がしりごむと、女中は、「なにが。わたしがいるから大丈夫だよ」と言って木之助をひっぱっていった。
女中は木之助を勝手口の方から案内し、ちょっとそこに待たせておいて奥へ姿を消したが、直また出て来て、さあおあがりな、と言った。木之助は長靴をぬいで女中のあとに従って仏間にいった。仏壇は大きい立派なもので、点された蝋燭の光に、よく磨かれた仏具や仏像が金色にぴかぴかと煌いていた。木之助はその前に冷えた膝を揃えて坐ると、焚かれた香がしめっぽく匂った。南無阿弥陀仏と唱えて、心から頭をさげた。深い仏壇の奥の方から大旦那がこちらを見ているような気がしたのである。
「そいじゃ、何か一つ、弾いてあげておくれやな」と背後に坐っていた女中がいった。木之助は今までに仏壇に向って胡弓を弾いたことはなかったので、変なそぐわない気がした。だが思い切って弾き出して見ると、じきそんな気持ちは消えた。