Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.547 caratteri · 23 schermate
一
一
矢はまっすぐに飛んだ、晩秋のよく晴れた日の午後で、空気は結晶体のようにきびしく澄みとおっている、矢はそのなかを、まるで光の糸を張ったように飛び、のあたりで小さな点になったとみると、こころよい音をたてて的につき立った。――やはりあの矢だ。家綱はそううなずきながら、的につき立った矢をしばらく見まもっていたが、やがて脇につくばっている扈従にふりかえって、
「そこにある矢をみなとってみせい」
といった、扈従の者が矢立に残っているのをすべて取ってさしだした。四本あった。かれはその筈巻の下にあたるところを一本ずつ丁寧にしらべてみた、すると、はたしてそのなかにも一本あった、筈巻の下のところに「大願」という二字が、ごく小さく銘のように彫りつけてある。いま射た矢にもそれがあった、去年あたりからときどきその矢にあたる、はじめは気づかなかったが、持ったときの重さや、弦をはなれるときの具合や、いかにもこころよい飛びざまなど、いろいろなよい条件がそろっているので、ああまたこの矢かと思いあたるようになった。矢にもずいぶん癖のあるものだが、それほどはっきりと性のそろったものはめずらしい、それでよく注意してみると、思いあたる矢にはきまったように「大願」