Classici giapponesi con furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Leggi 日記 (にっき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.646 caratteri · 48 schermate
四月九日
手のひら、顎、頬、胸すべての皮膚が、求めているものがある。もとめている彼の手のひら、腕、さっぱりとして力のある胸がある。何でもよい、すべてを忘れるような感覚というのではなく、只一つの肉体がいるのであった。代償がないという自覚。そのことの苦しいよろこび。
○自分は悲観しては死を思わない人間であるが、感覚から感動から屡※(二の字点、1-2-22)死を感じる、そういうたちである。
〔欄外に〕
○この頃、自分は考える。自分のこの感情と官能の緊張について。
○自分は緊張とそのユルミとの波の激しいタイプでありそれを欲求している。何でゆるめられるか。まぎらされるのではなくて――ここに問題がある。
海辺の桜は花もしっかりと美しいようだ。左の枝には房になって濃い紅の蕾。臙脂色の十字になったガクの色。爽やかな薄桃色の花
四月九日(金曜)
夜、タオル三本入り 50s. の包をもって近所にあいさつに歩く。
「よいお日和でこさいます。あのこれが東京に居ります息子の嫁でこさいます。どうぞよろしく。日頃御厄介になっちょりますから今度見まいに参りましたついでに、ちょっとお物申そうと申しまするもので――」