Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
にっき
日記
宮本 百合子
Leggi 日記 (にっき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.193 caratteri · 131 schermate
自分の父上に持つ愛も、実に神秘なものであると思う。何か、人間の考え得る総ての愛を引くるめ、彼は持って居ると云うような信任と愛。彼の種々な弱点だの、芸術に関する意見の全然不一致な点などは、平常まるで忘れられ、絶間なく太陽のあると云う暖かさを心に覚えるのだ。
結婚してから、自分の心には、何か一層哀切な新たなものが生じた。いつも一緒に居られないこと、彼が荒木の存在に、無言の遠慮を持ち、たまに自分に会うことを非常な悦びとし、わざわざ金曜には宴会も断って夕食に帰られる心持。皆、犇々と自分に来、私は、何かで、彼の真個の歓びを与えてあげたいと思う。物質には勿論、心にも、今の自分には苦しさが多く、仕事も捗取らず、思うように行かない。只、丸い、元気そうな、(しんに悲しくても、父上の顔を見て居る間それを忘れ)素振りを見せ、そばに座り、喋り、ともに笑うことだけでも楽しむほかない。
生活は、山から掘り出したばかりの金剛石の粗石のようなものだ。種々な愛や深い神秘的なほどの理解が、処々に、キラリ、キラリと閃く。他の部分は、暗い生存の不安や苦痛に包まれて居る。然し、人はそこに燦く愛や信仰、一致のあることを、鋭い瞬間の閃きで知り、黒い塊である生活全体を捨てず守って行く。