Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.831 caratteri · 396 schermate
それを呼び出して来るので、少し暇取るのであろうから、野暮に催促するのも好くないと諦めて、彼は根よく待っているうちに、庭の池で鯉の跳ねる音がきこえた。ここらの習いで、かなりに広い庭には池を掘って、汀には菖蒲などが栽えてあった。青い芒も相当に伸びていた。
退屈凌ぎに庭下駄を突っかけて、半七は池のほとりに降り立った。大きい柳に倚りかかって、何心なく水の上をながめている時、誰か抜き足をして忍んで来るような気配を感じたので、油断のない彼はすぐに見かえると、人の背ほどに高い躑躅のかげから、一人の男が不意に飛んで出て半七の腕を捉えた。
「御用だ。神妙にしろ」
半七はおどろいた。
「おい、いけねえ。人違げえだ」
云ううちに又ひとりが現われて、これも半七に組み付いた。
「違うよ、違うよ」と、半七はまた呶鳴った。
「なにを云やあがる。御用だ、御用だ」
二人は無二無三に半七を捩じ伏せようとするのである。もう云い訳をしている暇もないので、半七は迷惑ながら相手になるのほかはなかった。それでも続けてまた呶鳴った。
「おい、違うよ、違うよ。おれは半七だ、三河町の半七だ」
「ふざけるな。人相書がちゃんと廻っているのだ」