Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.831 caratteri · 396 schermate
したがって、二朱銀は全部持ち帰ったものと思っていたのであるが、その一個は面箱のなかに落ちていて、偶然にもおぎんに発見されたのである。
おぎんもこの二朱銀を発見しなければ、単に古い面を持ち帰るに過ぎなかったであろう。二朱銀を発見した為に、おぎんは兼松らに捕えられ、更に箱の底から小判五枚を発見され、又それがために教重も捕えられることになったのである。老練の兼松もここへ来るまでは、別にこれという成案もなかった。おぎんに眼を着けたのが彼の手柄でもあるが、それとても実はまぐれあたりに過ぎない。所詮は面箱のうちに忍んでいた二朱銀一個が、手引きをしてくれたのであった。
「まったく神の業です」と、教重がいよいよ恐れたのも無理はなかった。
この時、奥の障子をあけて、女の白い顔があらわれた。それは先刻から門番所に預けられていたおぎんであった。彼女は薄暗い行燈のひかりに教重の顔をのぞきながら云った。
「あら、やっぱりお前さんだったの。どうも聞き覚えのある声だと思ったら……。お前さん、まだ道楽をやめないで、とうとう大変な事を仕出来したのねえ」
教重は蒼い顔を俄かに赤くした。