Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.831 caratteri · 396 schermate
火の番の藤助という男がここへ廻って来たのである。三人がここに立ち停まっているのを見て、藤助も近寄って来た。
「なにか落とし物でもしなすったかね」
彼も三人を識っているのである。源蔵から白い蝶の話を聞かされて、藤助も眉をよせた。
「その蝶々はわたしも時々に見るがな。なんだか気味がよくない。今夜はこの寺の墓場へ飛び込んだかね」
「誰かの魂が蝶々になって、墓の中から抜け出して来るんじゃないかね」と、源蔵は云った。
「なに、墓から出るんじゃない、ほかから飛んで来るんだよ。墓場へはいるのは今夜が初めてらしい」と、藤助は云った。
「だが、蝶々が何処から飛んで来て、どこへ行ってしまうか、誰も見とどけた者は無い。第一、あの蝶々はどうも本物ではないらしいよ」
「生きているんじゃ無いのか」
「飛んでいるところを見ると、生きているようにも思われるが……。わたしの考えでは、あの蝶々は紙でこしらえてあるらしいね。どうも本物とは思われないよ」
聴いている三人は又もや顔を見あわせた。
「わたしもそこまでは気が付かなかったが……」と、源蔵はいよいよ不思議そうに云った。「紙で拵えてあるのかな。だって、あの蝶々売が売りに来るのとは、違うようだぜ」