Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.831 caratteri · 396 schermate
「留。どうした。しっかりしろ」
こうなると、蝶の詮議は二の次にして、子分を介抱しなければならないので、吉五郎は留吉を抱くようにして墓場を出た。寺の玄関へ廻って案内を乞うと、奥から納所が出て来た。留吉はさっき提灯を借りに行ったので、納所もその顔を識っていた。
「その人がどうかしたのですか」
「そこで転んで怪我をしたらしいんです。済みませんが、燈火を拝借したいので……」
留吉を玄関に横たえて、納所が持って来た灯のひかりに照らして見ると、留吉は脾腹を打ったほかに、左の手も痛めているらしかった。吉五郎は自分の身許を明かして、直ぐに医者を呼んで貰いたいと頼むと、納所は異議なく承知して、寺男を表へ出してやった。
吉五郎らの身許を知ったので、寺でも疎略には扱わなかった。住職もやがて奥から出て来た。彼は納所らに指図して、書院めいた座敷へ怪我人を運び込ませた。
「夜中お騒がせ申して、相済みません」と、吉五郎はあらためて住職に挨拶した。
「いや、どう致しまして……」と、住職は留吉の方を見返りながら、これも丁寧に会釈した。「それにしても、夜中どうしてこの墓地へおはいりなされた。