Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 217.272 caratteri · 434 schermate
どう考えても、由井正雪の絵馬、殊にその画面も寸分違わないような同一の絵馬がほかにあろうとは思われないので、更にその出所を根掘り葉掘り詮議すると、多左衛門は声をひそめて話した。
「これはお前さんだけに極内でお話し申すが、実は八幡様から盗み出して来たのです。しかし由緒ある絵馬が紛失したとあっては、その詮議がやかましいから、偽物をこしらえて掏り換えて置いたのです。高いところに懸けてある絵馬だから、下からうっかり見上げただけでは誰も偽物とは気が付かない。このくらいの苦労をしなければ、良い物や珍らしい物は容易に手に入らない世の中ですよ」
かれは得意の鼻をうごめかしていた。それを聞かされた人も相当の蒐集狂で、神社の絵馬を無断で引っぱずして来るくらいのことは随分やりかねない男であったので、普通の人ほどには驚きもしなかったが、それでも偽物をこしらえて掏り換えて来るほどの知恵はなかったらしく、今さらのように多左衛門の熱心を感嘆して帰った。
二
いつの世にも秘密は漏れ易い。お前さんだけにと云った丸多の話は、それからそれへと同好者のあいだに広がって、正雪の絵馬は盗み物であるという噂が立った。