Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 217.272 caratteri · 434 schermate
それを早くも聞き込んだのは、四谷坂町に住むお城坊主牧野逸斎の次男万次郎であった。万次郎も「絵馬の会」に加入している一人で、丸多の主人とはかねて懇意の仲であったが、十日ほど前の夜に尋ねて来て奥の間で多左衛門と何かの密談に時を移して帰った。その以後も殆ど毎日のように尋ねて来る。なんの為にそんなに足近く出入りをするのか、主人は口をつぐんで何事をも語らないのであるが、それが普通の用件や雑談でないことは、多左衛門の暗い顔色を見ても大抵想像されるので、女房や番頭らも心配した。女房のお才は大番頭の与兵衛と相談して、ある夜かの万次郎が帰るあとを尾けさせた。与兵衛は途中の小料理屋へ万次郎を誘い込んで、この頃の密談の内容を訊きただすと、万次郎は眉をひそめてささやいた。
「おまえの店の主人は飛んでもねえことをしてしまった。わたしも絵馬をあつめるのが道楽で、ずいぶん無駄な銭を使ったり、無駄な暇を潰したりしているが、お前の主人は道楽が強過ぎるぜ。いかに熱心だからといって、和田の八幡から正雪の絵馬を持ち出すとは呆れたものだ。わざわざ偽物をこしらえて、本物と掏り換えて来るなんぞは、あんまり罪が深過ぎるじゃあねえか。