Classici giapponesi con furigana
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Leggi 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.810 caratteri · 345 schermate
人が死ぬのも生きるのも、ごく些細な要素がそれを定める。それは初めから戦争の常としてわかっていることであったが、現実に直面すると堪え難い気がした。生き延びているのを喜ぶ気持は、純粋なものであるか不純なものであるか、それは彼には判らなかった。そんなことを考えることすら無意味な営みに思えた。北口の将兵が全滅するのはもう時間の問題である。そして南口の大隊の運命も風前の灯にひとしい。それは誰しも予感していることである。それにも拘らずなお原隊に止まろうとするのは何か。人間としての矜持か、此処には最早矜持とか自律とかはあり得ない。あるのは生きているか殺されるかという冷たい事実だけだ。善とか悪はない。真実とは一つしかないのだ。それは内奥の声だ。生きたいという希求だ。自分のために生きるのが、唯一の真実だ。爾余の行動は感傷に過ぎない。
彼は顔に日光の直射を受け岩角によりかかり、背後に近づく高城伍長の軍靴の裏金が岩角にふれてかつかつ鳴る音を聞きながら、暫く歩を止めて佇んだ。跫音はだんだん近づいて来る。彼は振り返った。高城の顔色が、驚くほど蒼かった。
「お疲れになったのですか。