Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate

Aozora Bunko

「大学もいったか」

――奥山どのお一人で、声高に云いつのっておられたそうです。

「なにを申した」

――近よることができず、内容は聞きとれなかったそうですが、奥山どのお一人だけの高ごえが聞えた、と申していました。

「原田はどうした」

――酔いつぶれて、途中で寝所へ移られたといいます。

「しめし合わせたな」

――酔いつぶれたのは事実のようで、彼は眠らずにようすをうかがっていたと申しました。

「なにもなかったのか」

――明けがたまでなにごともなく、彼がうとうとしていると、松山どのの声が聞えたそうです。

「しめし合わせたのだ」

――そうでしょうか。

「涌谷もいっしょだ」

――いや、松山どのだけで、涌谷さまの声はしなかったと申します。

「周防はなにを云った」

――船岡どのと口論になり、船岡どのは手をひくと云われたそうです。

「手をひくとは」

――こういうことは好まない、自分はやりたくない、と船岡どのが申され、板倉侯には新らしい茶室の釜びらきに招かれたので、ほかになにも意味はない、と云われていたと申しておりました。

「原田が周防にか」

――まちがいなしとのことでございます。

「あの狸が」