Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate
「あんたって子供ねえ」
「まだ私を、ごまかせると思うのか」
「まあ聞いてちょうだい」とおみやは坐り直した、「それは新さんの云うとおり、兄は月づきのお金を呉れるようになったわ、あたしにはどういうお金だかわからないけれど、とにかく暮しに不足しないだけのお金は呉れるわ、けれどね、新さん、世の中はそれで済むっていうものじゃなくってよ」
新八は黙っていた。おみやはつづけた。
「兄のお金がどんな性質のものかわからない、いつまでも続くのか、ほんの当座だけのものかわからない、もし兄のほうがだめになったら、またあたしが稼がなければならないでしょ」
「それなら、もしそれが必要なら」と新八が云った、「そんな恥ずかしいことをしなくったって、私だって人足ぐらいの仕事はやりますよ」
「その躯で、――」おみやは首を振った、「ねえ、聞いてちょうだい」とおみやは云った、「あたしに渡辺の旦那を世話してくれたのも、浄妙院を世話してくれたのも同じ人なのよ、その人にはずいぶん厄介になっているし、これからのことはべつとしても、こっちの都合がよくなったからといって、ではおさらばというわけにはいかないわ」