Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate
新八は頷いた。
「しれ者だ」と六郎兵衛は毒のある調子で云った、「そういう男をしれ者というんだ、人間というものは一方から好かれれば、一方から憎まれる、好評と悪評は必ず付いてまわるものだ、あらゆる人間に好かれ、少しも悪評がないというのは、そいつが奸譎で狡猾だという証拠のようなものだ」
「でも原田さんは」
「黙れ、きさまになにがわかる」と六郎兵衛は云った、彼の表情には、怒りの色がもっと強くあらわれた、「きさまはいま、着座だとか家老になれる家柄だとか、軽輩だとか身分がちがうなどと云った、なにが身分だ、身分がなんだ、原田が着座かなにか知らぬ、柴田郡船岡で四千百八十石の館主かしらぬが、伊達の家臣ということではきさまと同格だぞ、なんのためにそう自分を卑下するんだ」
「私は卑下なんかしません」
「卑下でなければ卑屈だ」と六郎兵衛は云った、「食禄を多く取り身分が高いということは、奸知と策略に長じた、成りあがり者だということだ、しかも、他の多くの人間から掠め取ってだ」
六郎兵衛は唇を曲げた。彼はいま、憎悪と敵意のために、自分を抑えることも忘れたようであった。
彼は安穏に暮している家族や、権力や名声のある者、富貴で人望のある者などにがまんができない。