Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Leggi 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.573 caratteri · 178 schermate
「自分を引合いに出すから世話はない。ヌケヌケとした野郎だ」
「善人がる奴は悪党で、悪党がる奴は、お人好しでなきゃ、薄馬鹿ときまっているでしょう」
「たいそう覚ったことを言やがる」
「竹松親分も言いましたよ。三年前品川の問屋場に泥棒が入って、役人を一人殺して千五百両の御用金を盗んだのは、そこで働いている、一番臆病な、ガタガタ慶吉の仕業だったとね。ガタガタ慶吉というのは、ちょいと脅かしてもガタガタ顫えるからの異名だったと言いますぜ」
「なるほど、そんな事もあったようだな」
「竹松親分に言わせると、主人の死骸の顔に、前掛を被せたのは、下手人は臆病者で、死骸を見るのが怖かったに違いない――と言うんです」
「なるほど、面白い考えだな」
「主人山三郎の石地蔵を抱いて死んでいたという死に顔は、まったく物凄いものでしたよ。下手人は、人を殺したものの、その死に顔に睨まれるような気がして、有り合せの前掛を被せたに違いありません」
「その前掛の持主は?」
「下女のお六のだから大笑いで、夕方井戸端へ忘れて行ったものです。自分の前掛で、そんな事をする馬鹿はないから、お蔭でお六は下手人の疑いから取り除けられたようなもので、――ずいぶん嫌なことをする悪党じゃありませんか」