Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Leggi 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.573 caratteri · 178 schermate
「それじゃ訊くが、この家で、左利きは誰だ」
平次は新しい問いを持出して、さり気なくお六の返事を待ちます。――それは緊張した一瞬ですが、お六の答えは案外にも無造作です。
「下男の甲子松よ。あの人は板前もやるので、右刃の庖丁では使い難いと言って、出刃庖丁まで、わざわざ左刃のを作らせているくらいですもの」
「それだッ」
平次は小膝を叩きました。
「何がそれなんです?」
「主人を殺した下手人は、間違いもなく左利きの人間だよ」
「?」
「主人は何かの都合で――たぶん、あの五十両の小判のことで地蔵様の台座の下を捜したことだろう。ところが、地蔵様の据りが悪いので、地蔵様を抱いたまま崖の下に転がり落ちた。たぶん気を喪ってウメキ声を出したことだろう。曲者は洗濯物でその口を塞ぎ、側にあった前掛で口を縛った上、お勝手に駆け込んで刺身庖丁を持出し、左逆に持って、後ろから手を廻し、一気に主人を殺して、ウメキ声をとめさせた」
「――――」
「主人の傷は、右に深く左に浅い。下手人は左利きの証拠だ――この家の左利きは甲子松だとすると」
平次は次の活動の気持になった様子です。下手人は臆病な与茂吉でなく、番頭の勘三郎でないとすると、左利きの甲子松でなければなりません。