Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Leggi 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.573 caratteri · 178 schermate
「近頃はすっかり元気になっていたのだな。毒を呑まされたといったが――」
「佐太郎親方はすぐ死にましたが、親父は翌る日はもう元気になっておりました」
「ところで、もう一つ訊きたいが」
「――――」
平次は少し改まりました。
「お前は、お萩をどう思っていた?」
「どうといって」
幸吉はパッと赤くなりましたが、そのままウヤムヤに言葉を濁してしまいました。
次に会ったのは番頭の忠助でした。よく肥った三十五六の男で、愛嬌のある顔、要領の悪い口調、一応はボーッとしたように見えて、思いのほか如才がないところがあります。
「幸吉と父親の仲が悪かったそうじゃないか」
「――――」
「それにはわけがあるだろう。お前は知っている筈だが」
平次の言葉には、なかなか掛引がありました。
「よく存じております。つまらないことですよ」
「つまらないことというと」
「若旦那が、棟梁のお萩さんを嫁に欲しかったんで、――唯それだけのことで」
忠助の言葉は妙に皮肉でした。
「主人を怨む者は他になかったのか」
「あるわけはありません。あの通りの太っ腹で、奉公人も出入り職人もずいぶん潤おっていました。現にこの私など、多寡が廻船間屋の番頭で、年に五両か六両の手当が当り前ですが、十両の給金の外に、盆暮には十両ずつの御手当を貰っております」