Classici giapponesi con furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.788 caratteri · 299 schermate
さすがに無音とはいいながらも、この閃光と音だけはいかんとも消すことができなかったのであろう。断末魔の叫びもなく、犬は眠ったまま後脚をピクピクと二、三度痙攣させて息が絶えた。
「呀ッ、貴方は! 貴方は!」
「声を挙げるんじゃないよ、ベナビデス君! 騒ぐと君にも飛ぶといけないからね! これだったね、もう一匹の方は!」
カチリ! シューッと閃光を発すると、これもプスッと鈍い音を立てて檻の中を嗅ぎ廻っていた犬は、凭れるような恰好で前脚を伸ばして、グウと喉を鳴らすとそのままガックリと前のめりに崩れた。まだ腹が脈うっていた。そして凄まじい煙硝の臭いが、湿め付いた窖の空気の中に鼻を衝かんばかりで籠ってきた。
「ベナビデス君! もう少し後方へ下りたまえ! 騒ぐとすぐ弾が飛ぶからね。……どうだね、わかったかね? この拳銃の味が!」私は八呎を隔ててベナビデスと向い合っていた。さすがにこの瞬間穏やかな言葉の背後に死の予感を感じたのであろう。夜目にも著くベナビデスの面は真っ青であった。挙げている両手も脚も烈しく顫え出してきた。
「ベナビデス君! 答えてくれたまえ! 君はどういう怨みがあって、ああいう犬を売って私の家庭を破壊してくれたのかね? そのわけを聞かせてくれたまえ!」