Classici giapponesi con furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.788 caratteri · 299 schermate
と私は口を噤んでしまった。しかし今の私にとってはそんな理屈なぞはどっちでもいいことであった。私としては、今眼前にあるこの白人女性の不幸な屍体を、ただこのままに放擲してキャンプへ引き揚げてしまうということが、情において何としても忍びぬことなのであった。
「ビスカ、お前はどう思う……俺たちには火もあれば鉄砲もある。何の類人猿の一匹くらい、もし襲うてくれば、撃ち殺してしまうに造作もないが皆は危険だという。ビスカ、俺はお前の考えに従う! お前はどう思う?」
と私は土人頭のビスカの顔へ眼を移した。ビスカはこの一隊のうちでは一番に年嵩の土人でもあり、多少の英語、葡萄牙語にも通じ、みんなの信頼も克ち得ていれば、土人と白人との間にたって、すべてのことを取りしきっているいわば土人中の知識人なのであったから、もちろん私はビスカだけは、私の意志に従ってみんなの恐怖をなだめ説得してくれることとばっかり考えていたのであったが、驚いたことには、この土人頭のビスカの私を凝乎と瞶めている皺だらけの落ち窪んだ眼も、静かに否を表示して、私の意見に反対するように頭を振っているのであった。