Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いんじゅうトリステサ

橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.788 caratteri · 299 schermate

Aozora Bunko

そしてそれもあるが、第一自分が主婦として来ているのに、何が故にマジャルドー風情の者が家政に容喙するのか。召使たちの制度を改めるよりも、まず真っ先にマジャルドー風情の者がこの邸に出入することだけは絶対に禁止してもらわなければならぬ。それをこの間からやかましく催促しているのに、なぜ躊躇していられるのか? という強談判であった。

「別段躊躇っているというわけではないが……それほどの家柄でもないのに、金ピカの制服もあまり大ゲサすぎると思ってね。それに父の代から私の家はこういう質素な暮しをしていたものだから、昔の習慣をそう急に改めるのもと思っていたからさ。ちょっとマジャルドーにも相談しにくかったものだからね」

「マジャルドーに御相談……?」

と妻は怒りを美しい顔に走らせた。

最後の一句が、恐ろしく癇に障ったらしいのであった。

「そう……マジャルドーに御相談なんですね、では、もう申し上げませんわ。私せめて貴方のところを、もう少し世間へ出しても恥ずかしくないように……せめてないながらにでも、家柄を付けようと考えてお願いしたのですけれど、高が銀行の番頭くらいの者に気兼ねしてお改めになれないのならば、もうお願いしませんわ。